やっていくしか道はない

広く薄く趣味とかやって生きていく人間の様

【感想】脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体

 

 

 

ドーパミンという神経伝達物質の働きについて、一般人向けにまとめた一冊。

様々な興味深い実験結果を紹介しながら、いかにドーパミンが人間の欲求を生み出し、その行動を支配しているのかを解説している。

 

ライフハック系の本ではないが、中々に興味深く、今後メンタルヘルスケアや意思決定をしていく上で参考になるんじゃないかと感じる部分も多かった。

自律神経がいかれていて、人生に迷っている者としてもな…

 

単純に読み物としても面白かったから、理系トピックにアレルギーがない人にはおすすめしたい。

 

 


 

 

個人的に重要だと思ったポイントを大まかに要約する。

 

[1]

人間がポジティブな感情を感じる多くの場面において、ドーパミンが脳内で放出されている。

楽しいことをしている時、目標を達成した時、褒められた時、新しいことを始める時、やる気が出た状態になっている時、好奇心が働いている時、恋愛感情やときめきを感じている時、性的に興奮している時、美味しいものを食べている時、等々。

一度ある行為によってドーパミンが放出され気分が良くなると、脳はそれを記憶し、また同じ快感を得たいと考えるようになる(同じ行動をしようとする)。

 

努力して目標を達成した時や、周囲から褒められた時にドーパミンが放出されるからこそ、人間は時に本能的な欲求を我慢して、遠い目標に向かって努力することができる。

 

[2]

アルコールやニコチン、麻薬等は何らかの形でドーパミンの効きを強める。多用することでその快感を脳が記憶してしまい(長期増強)、渇望に抗えなくなる。

恋愛やセックス、人間関係、ギャンブル、ゲーム等の「行為」でもやはりドーパミンは放出される。何らかの理由で過度な快感を受け続けると、やはりその行為に依存するようになる。

 

ドーパミンと反対の作用をする「抑制性」と呼ばれる神経伝達物質もあり(セロトニンとか)、普通はこれがドーパミンによる過度な興奮を抑えてくれる。

これはつまり、体質や病気で抑制性の神経伝達物質が働きにくい人は、依存症になりやすいことを意味する。

 

[3]

人間は他者からの承認、評価、信用、信頼、尊敬等によって快感を得るが、これらは社会的報酬と呼ばれる。

社会的報酬も、やはりその本質はドーパミンの放出である。

人間が時に利他的な行動をしてまで社会的報酬を求めるように進化したのは、その方が種全体の存続にとっては有利であったため、という説が有力。

 

 

こんなところか。

専門家に読ませたら間違ってるって言われるかもしれないが、まあいいだろう。

 

掘り下げてコメントしたいトピックがいくつかあるのだが、この記事に全てをまとめようとしたら収拾がつかなくなってしまうであろうから、今後別の記事で改めて取り上げようと思う。